生まれつき右手がない隻腕の投手で知られるジム・アボット。
ソウルオリンピックでは決勝の日本戦に先発し、金メダルに貢献しています。
当時は日本でもアボットが話題になったようですね。
88年のドラフト1巡目、全体8位という高指名でエンジェルスに入団。
障害からMLBでの活躍も危惧され、話題性を狙った指名との声もあったようですが、その批判をはねのける活躍を見せています。
ジム・アボットのハイライト
ドラフト制度以降では16人目となる、マイナーを経験せずにメジャーリーガーになったアボットです。
1年目の完投勝利。
打者はケビン・ロマインとあるので、兄マリナーズ、弟ヤンキースのロマイン兄弟のお父さんです。
1年目から12勝をあげるなど新人王投票でも5位。
エンジェルスでは4年間で47勝、自己ベストの18勝も記録しています。
93年にトレードでヤンキースに移籍。
本拠地初登板で完投勝利。
ヤンキースでもローテを守って11勝をあげています。
引退シーズンの99年には初めてナ・リーグでプレー。
見事なタイムリーヒット。
MLBでは2安打を打っていますが、普通の投手並みの打力はあったとされます。
うまくバットを振っていますね。
こちらは守備での好プレー。
投げた後に左手にグラブをはめ変えキャッチ、その後また左手で投げるという技は子供時代の壁当てで身に着けたようです。
こちらは同じ障害を持つ女の子との交流。
キャッチボールシーンが少しあるのでイメージが出来ますね。
You gotta start somewhere… pic.twitter.com/pgOwstGQpa
— Jim Abbott (@jabbottum31) 2017年1月7日
親は手を使わないサッカーをやらせたそうですが、アボットは野球をやりたかったようですね。
もちろん好奇の目で見られることはあるわけですが、才能が抜群だったので偏見もはねのける活躍をしたわけです。
ジム・アボットのノーヒッター
アボットのハイライトと言えば、やはり93年ヤンキース時代のノーヒッターです。
MLBでは毎年のように複数の達成者が出るので、ノーヒッター自体はそこまで珍しい記録ではありません。
まあ、そうはいってもアボットの達成は特別ですからね。
この日は三振が3つだけで、ほとんどがゴロでのアウトだったようです。
しかも優勝を争う重要な時期での記録ですからね。
ハンディキャップを乗り越える彼の活躍は大きな尊敬を集めています。
こちらは7回にノーヒッターをアシストするウェイド・ボッグスの好プレー。
アボットは自身の境遇もあり、シーズン中でもチャリティ活動に熱心な選手だったとされます。
ヤンキース時代は成績が振るわないと、オーナーのスタインブレナーから「野球に集中していない」と非難されたこともあるようで。
それくらい熱心に活動していたわけですから凄い人ですね。(非難する方も凄いけど)
Let’s do this! pic.twitter.com/nWCAzDRW8E
— Jim Abbott (@jabbottum31) 2018年4月1日
大谷翔平選手と。
こうして並ぶと、さすが元メジャーリーガーって感じで体格が良いのがわかりますね!
実働10年で87勝、2ケタ勝利を5度記録しているアボットです。
これは普通に成功のキャリアですが、彼は右手の障害があるので尚更凄いことですね。
身体障害を持ちながらMLBでプレーした選手は他にもいますが、野球のレベルが上がった時代に、プレーに大きな支障のある障害を持って活躍したのはアボットだけです。
そもそもオリンピックのゴールドメダリストですからね。
本当に素晴らしいキャリアを歩んだ選手です。