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ジャフェット・アマダー(楽天)が薬物違反で出場停止。野球検査のジレンマ

楽天のジャフェット・アマダーが薬物違反による出場停止処分を受けて話題になっています。
6月13日の検査で引っかかったということです。

個人的には誰が薬物を摂取していようが驚きはしませんけど・・・。
それにしてもNPBから薬物違反が出るということには驚きました。
どうしても薬物検査が機能していないというイメージがありましたからね。

アマダーが本当に使用しているのか

アマダー自身は身に覚えがないとのコメントをしているようです。
ただまあ、普通に考えると嘘をついていると考えられるわけですが。

本当に身に覚えがないというのであればハメられたということになりますが・・・。
アマダーをハメたところで誰か得をするのかということもありますしね。
バレたらリスクだって高いわけですし。

ちなみにMLBにある典型的な言い訳は「(サプリ等に)入っていたのを知らずに飲んだ」とか「怪我を早く治すために使用した」というものがあります。
実際に風邪薬に入っているのを知らずに飲んだということで、証拠を提出して処分が軽減された選手もいます。


薬物検査のジレンマ

僕は今回のアマダーの薬物使用発覚については好意的に受け止めています。
というのも、本当に薬物検査をしていることがわかったからです。

薬物検査のジレンマとして「違反者が出ないと検査の意味があるのかわからない」ということがあります。
NPBでは長く違反者が出なかったわけですが「薬物検査の意味がないだけだろう」と思っていた人も多いことかと思います。

MLBでも検査を導入後、ラファエル・パルメイロという500本塁打3000安打の大物選手が処分を受けて検査の信頼度がアップしました。
そういう意味ではNPBでも日本人のレギュラークラスの選手が処分を受けて初めて意味があると認知されるかもしれません。

ぶっちゃけ、NPBが違反者を隠ぺいしている可能性があると思う人もいるでしょうしね。
NPBの場合はNPBより球団の方が力を持っているし・・・。
MLBでも定期的に超大物が処分を受けることによって、良くも悪くも検査の信頼度が上がっています。
そうじゃないと検査が甘いとか、隠ぺい論が出てしまうのが薬物検査の難しいところです。


検査から制裁まで時間がある

今回改めて驚いたのが、検査から制裁までの期間が長いということです。
アマダーの場合は約2ヶ月後に処分を受けているわけですからね。
陽性反応後に2度目の検査もあるようで、それで余計に長くなっているようですな。

アマダーには弁解の機会があり、2度目の検査でも陽性反応だったので処分を受けています。
NPBのアンチ・ドーピングガイドを見ると、2度目の検査で陰性だったら処分はなしのようです。

アマダーの場合は6月に検査を受けて約1ヶ月後に本人に結果を報告。
その報告から弁解の機会まで10日あるようですね。

検査の時点で不安があれば選手自身が隠ぺいする時間もありそうなものですけどね。
まあ、そう簡単な話ではないのでしょうけど・・・。
それにしても1度目の陽性反応の時点では公表されないなら、実は1度目の陽性反応が出ている選手がいたことはあるかもしれませんよね。


NPBの薬物検査は緩い?

今回の件で「NPBってきちんと薬物検査していたんだ」と思ったのは僕だけではないはずです。笑
それくらいNPBでは薬物違反者が出ていませんでしたからね。
かといってクリーンなのかと言えば、正直そこまでの信頼度もないですし。

現役時代のステロイド使用を告白しているOBもいれば、入来祐作さんらアメリカで検査に引っかかった選手もいます。
過去にはアレックス・カブレラジェフ・ウィリアムスら、日本で活躍した外国人選手が薬物使用の告発をされたこともあります。

不注意による摂取もあるわけですから、やはりNPBの違反者が少ないことへの違和感があります。
(本当に不注意だったらそれこそ公表されずに処分がないのかもしれませんけど)

まあ、日本は薬物に厳しいお国柄ですからね。
スポーツの薬物違反も当然厳しい目で見られます。
今回もアマダーや楽天に対して厳しい意見がたくさんあるようですね。

個人的には先にも言ったけど、検査をしていることがわかっただけでも好意的に見ています。
そして、出来ればアマダーを解雇せずにチャンスを与えてほしいと思っています。
アマダーは外国人選手で枠の関係があるので難しいことだとは思いますけど・・・。

NPBの場合は「薬物違反→解雇」の流れが出来ていますからね。
そういう薬物に厳しい風潮があると、どうしても薬物検査を厳しくできない面が出来てしまうのではないかと感じます。

ちなみに2度目の検査で陽性の後も弁解の機会があるということですが、薬物検査ってそんなものなんですねー。
NPBが特別なのか、そういうものなのか知りませんが・・・。

なんか出場停止処分だけでなく、始末書で済むケースもあるようですからね。
程度にもよるんでしょうけど、始末書で済んでいるケースもあるんじゃないかと思ってしまいますな。笑

何にしても日本人のレギュラークラスの選手が処分を受けないと、検査への不信感はぬぐえないところではあります。
まあ、違反者が出たら出たら球界は大騒ぎになるんでしょうけどね。

だからこそ検査を厳しくできないのではないかというジレンマです。
そして本当に使っていないとしても、薬物検査の意味がないだけと思われるという・・・。
本当に薬物検査は難しいですね。

波田純: