中日ドラゴンズに所属する松坂大輔投手が、ファンとの接触により負傷したことが話題になっています。
右肩を引っ張られて右肩を痛めたという・・・。
中日松坂が右肩違和感 ファン接触時に右腕引かれる https://t.co/2SptciXs0a @nikkansports #npb
— ふくださん (@fukudasun) 2019年2月11日
ドラゴンズはつい先日、ファンのサイン転売について注意を呼び掛けたことも話題になりました。
このようなこともあり「ファンサービスを一切禁止するべきだ」という厳しい声もあるようです。
まあ、それは極論にしても、マナーの悪いファンに腹が立つ気持ちはわかります。
中日ドラゴンズへご声援をいただき誠にありがとうございます。
沖縄春季キャンプにおいて、一部のファンの方で転売を目的として選手へサインを求められる行為が見受けられています。
このような行為には決して及ばないようお願いいたします。
ファンの皆さまのご理解・ご協力をお願いいたします。— 中日ドラゴンズ公式 (@DragonsOfficial) 2019年2月4日
ただ転売目的でサインをねだる行為はともかく、松坂投手の件に関しては悪意があったわけではないでしょう。(たぶん)
なんでもかんでも規制すればいいというわけではないのが難しいところです。
日本のファンはマナーが悪い?
松坂投手の件を聞いて僕が思い出したのは、某助っ人外国人選手のコメントです。
たぶん80年代に巨人でプレーしたレジー・スミスだったと思いますが、確実ではないのではっきりと彼のコメントだとは言いません。
時代が違うので現代でもそうだとは言えないのですが、彼が日本に来て驚いたことがファンのマナーの悪さだそうです。
日本人と言えば親切な人が多いイメージがあるし、実際に日本人は良い人ばかりだと。
だけど球場に来るとファンのマナーの悪さに驚くというわけです。
日本人は良いイメージがあるので余計に球場でのマナーの悪さが際立つようですが。
具体的にどういうことなのかと言うと、ファンサービスをしようとしたときのことです。
彼らメジャーリーガーというのは、ファンとの距離が物理的にも精神的にも近い場所でプレーしています。
球場の作りが物理的に選手と近い構造なので、ファンが選手と触れ合うケースも多いようですね。
(まあ、それだけ危険も多いわけで、近年はネットの増設化が進みました)
サインも可能な限り応じるという選手も多く、その際は特に子供を優先的にするようですね。
「サインが欲しければ子供を使え」と選手が言うぐらい、MLBでは選手もファンも子供を優先するマナーがあります。
だからこそ、日本では子供を含め周りを押しのけてでもサインをもらおうとするファンに驚いたというわけです。
このようなマナーの悪さというのは危険にもつながりますからね。
その一方で彼は、そもそも日本ではファンと選手が交流する機会が圧倒的に少ない。
だから、いざ触れ合う機会が訪れると、我先にと行動してしまうのではないかと話していました。
MLBのようにもっとファンサービスを積極的に行うべきというわけです。
NPBでも当時のようにスポンサー収入が入らなくなったこともあり、現在はファンサービスを積極的に行うようになっています。
それにしてもまだまだ野球観戦は誰でも気軽に出来るものではなく、物理的にも精神的にも、選手の距離が近くなったと感じる人はほとんどいないでしょう。
今回の松坂投手の件に関しても、興奮してつい触ってしまったのであれば、その気持ちも理解できないものではありません。
やってはいけないようなことでしょうけど、やってしまう人がいるのは理解できますからね。
僕がファンサービスについて思うことは、球場内ではもっと積極的に行い、それ以外の場所では応じない姿勢を強く打ち出すということです。
チャーター機での移動であるMLBと違い、NPBの球団は公共の乗り物を使って移動しますからね。
ですから球場外でもファンと触れ合う機会は多くなります。
移動中も仕事ではありますが、球場外でのファンサービスというのも選手としては悩ましいところもあると思います。
だから球界全体の試みとして、球場ではファンと選手の距離を近くする仕組みを作る。
それ以外ところではできるだけ距離を取ることができる仕組みが出来ればいいなと思います。
まあ、言葉で言うほど簡単なことではないのですが・・・。
サインなどの転売について思うこと
また、サインやチケットなどの転売というのも、野球界で問題視されることがあります。
これに関しては非常に難しい問題です・・・。
本やCDなどを店舗で買い、オークションなどで高く売る「せどり」という商売が副業としてブームにもなりました。
もちろんネットでの需要がある商品でないと売れないけど、需要があれば店舗より高く売れます。
そして僕自身がそのようなせどりをしている人の顧客になったこともあります。
というのも、田舎に住んでいると店舗に欲しいものが売っていないのです。
「中古屋で探せば安いものが見つかるかもしれない」とは思いつつも、面倒くさいし移動コストもかかるので少々高くてもネットで買うわけです。
まあ、本などであれば大して問題にならないのですが、問題になるのが限定品の転売です。
これに関しても理屈は同じで、安くない交通費や時間的なコストを考えると、少々高くても結果的にはネットで買った方が安いわけです。
だからこそ転売屋と言われる人から買う人もたくさんいるわけですからね。
心理的に腹が立つというのはわかりますが、喜んで買う人がいる以上は立派な価値の提供です。
球場で売り子さんから割増価格の商品を買う男だって同じようなことですからね。笑
要するに高いとわかっていても、買う人にとっては価値があるのです。
俗にいう転売屋だけを取り締まるのも難しいことなのです。
サインの転売にしても、直接サインをもらうから価値があるのではないかと思いますけど。
コレクターなのか、嘘の見栄を張るためなのか知りませんが、買う人だっていっぱいいるわけです。
感情的には取り締まってほしい気持ちはあるのですが、難しいところですね。
そういう一部の人たちのせいで多くのファンの夢を壊すような規制もできませんしね。
MLBでは試合中もそれ以外の場所でもとにかくマナーにうるさく、時に批判的な声もあるわけですが。
要するにルールで規制できないからこそマナーで規制しているわけです。
サイン盗みをルールで規制することができない(試合中の証明が事実上不可能)からこそ、マナーで禁止しているように。
松坂投手の件は残念な出来事ではあります。
ですが、だからといって変に規制を作るのではなく、何かしらの線引きでマナーの面で訴える風潮になってもらいたいですね。