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福本豊の面白い解説名言には意味がある?盗塁の秘訣は打撃に活きる

福本豊さんと言えば、かつて盗塁の世界記録を保持していた世界の盗塁王です。
現役引退後は面白解説者としても人気になっていますね。
「立ちションができないから」と国民栄誉賞を拒否したエピソードなど、語り継がれているコメントもたくさんありますね。

素直な物言いからくるコメントではあるのでしょうが、裏を返せば理由を知れば必ずしも面白コメントというわけではないのかもしれません。

解説中に「ごめん見てへんかった」

例えば解説中に実況アナにコメントを振られて「見てなかった」とコメントしたことです。
これはなにもボーっとしていたとか、よそ見をしていたというわけではありません。
福本さんはやはりランナーが塁に出ると、投手と走者の駆け引きに注目します。
それこそ走者が盗塁も期待される選手なら尚更のことでしょう。

となると当然、モニターではなく直接グラウンドを見ることになります。
そんなときに実況アナが「いまの球種はなんでしょう?」みたいに、モニターを見ていないとわからないコメントをふられたから「見てへんかった」と言ったわけです。

このように本当の理由を知れば、そこまでおかしいことではないエピソードもたくさんあると思われます。

盗塁をするためにまずは打撃練習

福本さんの有名なエピソードに、98、99年阪神コーチ時代の話もあります。
「盗塁をするためには、まず塁に出ることから」というような理由で、打撃練習ばかりさせていたというものがあります。
これも面白エピソードとして語り継がれるわけですが・・・。

まあ、そもそも盗塁の練習なんてできないですからね。
盗塁のコツは投手の癖を盗むことが重要とされ、ビデオなどでの研究や実践が大切で練習で出来ることは特にないようです。
福本さん自身も盗塁に1番重要なのは目だという話をされています。
そして、一般的に盗塁に必要な技術というものは打撃にも活きてくると言われています。

わかりやすいところで言えば、盗塁成功のためにはストレートよりも変化球を投げたときの方が成功しやすいです。
投手を研究して変化球を投げる癖がわかれば、それが打撃に活きますよね。
他にも盗塁を成功させるためには最終的に配球の勉強、研究にも行きつくようですが、これも打撃に活きるわけです。

代走のスペシャリストでお馴染みの鈴木尚広さんだって、普通に打撃も良かったわけですからね。
卵が先か鶏が先かじゃないですが、盗塁が増えれば打率も上がる選手が多いとされます。
もしかしたら福本さんのエピソードも、そのような理由だったのが面白おかしく語り継がれているだけかもしれません。

実況アナの質問がおかしい可能性?

また、面白コメントの中には実況アナの質問がおかしいという可能性も考えられます。
例えば実況アナのコメントをたびたび否定しちゃう、感じの悪い解説者も中にはいるわけじゃないですか。笑
でも言い方のせいで印象が悪いけど、言っていること自体はおかしなことではないわけです。

(画像のチョイスはいい写真だっただけで他意はないですよ)
福本さんは「変なこと聞くなぁ」と内心思っていて、とりあえず適当にコメントしたのが面白コメントに繋がったケースもあるでしょう。

阪神4点ビハインドのケースで「阪神の打線は何をするべきか?」って振られたら「4点取り返さなアカン」ってなりますよね。笑
それを丁寧に言うのが「ランナーをためて~」とかになるわけです。

まあ、メディアを通じて見るとそっけない態度に見える野球選手もいますが、意味のない質問にイライラしているケースもあるみたいですからね。
実況アナはともかく、記者になると本当に野球を知らない人もいるようですし。
そりゃあ、面倒くさいと思うのも無理はないですね。

リッキー・ヘンダーソンが福本豊の記録を抜く

福本さんの通算1065盗塁は約10年間世界記録になっていました。
それを抜いたのが93年のリッキー・ヘンダーソンです。

こちらがそのときの盗塁。
同年34歳にして53盗塁を決めたリッキーは、その後1406盗塁まで記録を伸ばしています。

しかし福本さんの通算盗塁記録は不滅でもおかしくはないですね。

2位は広瀬叔功さんの596盗塁。
近年の選手だと赤星さんの381盗塁が最多で、こちらは通算9位。
現役だと中日の荒木選手が378盗塁で通算11位となっています。
こうしてみると通算盗塁って意外なほど少ないんですね。

波田純: