NPBでもMLBでも、ビデオ判定をしたにも関わらず誤審が起きることがありました。
もちろん、スロー映像を見ても判断が難しい微妙な判定と言うケースもあります。
ですがまあ、そういう判定では誤審という言われ方をしないでしょう。
誤審というからには、明らかに判定を間違えたケースというわけですが・・・。
それにしてもビデオ判定で誤審というのは、不思議な感じがしますよね。
MLBのチャレンジ制度で誤審
MLBでは14年からチャレンジ制度が出来ました。
で、15年のビデオ判定で誤審が起きてしまいましたが・・・。
目視ではわからない判定ですが、スローで見ればセーフではなくアウトとわかります。
ですがセーフの判定は変わらず。
このときは機材トラブルにより映像を見ることができなかったようで、後日MLBが謝罪することになりました。
Just got the COOLEST tour of @MLB replay operations center. Excited to give you guys an inside look on @FOXSportsBraves tonight. pic.twitter.com/V3Cgp98NNd
— Kelsey Wingert (@KelsWingert) 2017年9月27日
ちなみにNPBとMLBの大きな違いは、ビデオ判定専用のオペレーションセンターがあるということです。
NPBの場合は現場の審判がビデオ判定の決断をするわけですが、MLBは第三者が決断をするわけですね。
映像もNPBはテレビ中継の映像、MLBはビデオ判定専用に設置したカメラの映像です。
単純な機材、映像の差はもちろんのこと、第三者が決めるというのも良いところですね。
審判の先入観による誤審の可能性は?
さて、ここからはNPBで誤審が起きてしまう理由を考えてみますが。
MLBと違って第三者の決断でない以上、先入観のようなものが入る余地があります。
「セーフとジャッジしたからセーフであってほしい」と思うのは当然のことです。
The Replay Operations Center – nerve center of @MLB's expanded replay system – unveiled at @mlbam headquarters: http://t.co/8Y2YQQuhLv
— MLB (@MLB) 2014年3月27日
とは言えですよ。
1人の審判がビデオを見て判断するならともかく。
現場の審判がみんなで判断するのであれは先入観での誤審というのは考えにくいものがあります。
先日の誤審では「コマ送りで止める箇所を間違えた」というような説明がされたようですけど・・・。
これに関しても同じで、その場に複数の審判がいながら、そのような判断を間違えるのは考えにくいです。
つまりが大人の事情で無難な言い訳をさせられているように映ってしまうわけですな。笑
もっとも、審判みんなで見ることが難しいような、寂しい機材であれば話も違ってくるかもしれませんが。
NPBのビデオ判定は機材が悪い?
ビデオ映像で見れば野球ファンでもわかるのに、その判定を審判が間違えるというのは普通に考えておかしいです。
それこそパワプロの知識だけでも、アウトかセーフか、ホームランかファールかぐらいはわかりますからね。
まあ、そうなると審判(人間)以外のところに問題があるという結論になってしまうのですが。
その筆頭となるのが機材の問題です。
Thanks to the folks at @mlb for a look at the MLB Replay Operations Center at Chelsea…where challenges are reviewed pic.twitter.com/kUTA8JcqU2
— Sam Ryan (@SamRyanSports) 2015年8月24日
下記の画像はネットでネタにされることもあるので、どこかで見たことがあるかもしれません。
→ マツダスタジアムの審判員室
まあ、このような機材でビデオ判定をしているわけではないと思うけど・・・。
でも本当にこの機材だったら寂しいですよね。笑
The Replay Operations Center at @mlbam headquarters is unveiled by Major League Baseball. pic.twitter.com/qllEPOKVNF
— mlbam (@mlbam) 2014年3月26日
MLBのようなオペレーションセンターを用意するのは現実的ではありません。
ですが最低限、審判が自信をもってビデオ判定が出来るだけのシステムは用意してほしいところですね。
ちなみにそのようなことを決める権限が審判団にあるわけがなく、あるのはおそらく12球団です。
ビデオ判定の映像がわかりにくい?
MLBの場合はチャレンジ専用のカメラ映像を見て判断をすることになります。
一方でNPBの場合はテレビ局の映像を見ているようです。
まあ、そこにはいろいろな問題があるでしょうから、すべての球場に専用のカメラを用意するのは難しいでしょう。
だからテレビ局の映像を使用するのは現実的なことだと思います。
ただそうなると、当然だけど判断材料となるだけの映像が用意されないこともあるでしょう。
実際に野球中継を見ていて、どの角度の映像でもはっきりとわからないことはそう珍しいことではありません。
いずれはこれが原因で問題になることも起きるでしょうし、もう起きているかもしれません。
そうなると審判に問題があるわけでもないし、かといってテレビ局に問題があるとも言えないですからね。
この問題ばかりはどうしようもありませんが、とりあえず審判が悪いことにされてお茶を濁すのが日本の風潮だからなー。
あと、例えば球団とつながりのあるテレビ局が、その球団に不利になる映像を提供しないとか。
そういうことができるのであれば、そういうことが起きるリスクはありますよね。笑
リクエストの制度を決めた人は誰?
いずれにしても、機材の面などリクエスト制度には少し物足りなさを感じます。
まあ、個人的には不満はないけど、何かあったときに叩かれる審判さんが気の毒ですからね・・・。
ところで、そもそも誰がリクエストの制度を決めているのかということですが。
ビデオ判定が導入される前は、審判団が反対するから導入されないかのような報道がされていましたが、当然審判団にそんな権限はありません。
野球協約によると、NPB組織において権限を持っているのは12球団のオーナーになります。
リクエストに限らず、NPBのすべての元凶がここにあるんですよね。笑
NPBは12球団の出資で運営されているので、球団が権限を持つ仕組みになるのは仕方がないと言えば、仕方がないのかもしれませんが・・・。
球団の人たちに野球界のことを考えろと言っても無理がありますからねー。
ファンが望むような野球界にはなりづらいのも当然のことかもしれません。
僕がいつも思うのですが、この手の問題が起きると、とりあえず審判が悪い風潮になるのが嫌いです。
審判を叩いてもどうしようもないですからね。
まあ、マスコミは叩きやすいところを叩くので審判を叩く風潮になるのは仕方ないにしても、それに流されてファンまで審判を叩くのがね・・・。
「球団が権限を持っているんだから球団を叩け」とは言わないけど、審判を批判して審判の立場を悪くしてもメリットは何もないですからね。
審判の地位が向上して、たくさんの人たちが審判を目指す環境になってもらいたいものですな。