なんかMLBで流行の兆しを見せているオープナーが、日本でも導入されるかもしれないようですね。
オープナーというのは本来先発ではない投手が初回に登板。
上位打線との対戦を終わらせてから、先発投手(先発候補)をロングリリーフとして起用する戦略です。
オープナーがなぜ有効なのか?
オープナーは少なくとも統計上は有効な戦略である可能性がかなり高いです。
オープナーのメリットの1つに先発投手が上位打線と複数回対戦する機会を遅らせることにあります。
MLBでは打順が3周りすると、先発投手に慣れて打撃成績が極端に上がることがわかっています。
だから好投していても6回ぐらいには3周りするので、早めに交代するケースが増えています。
オープナーを導入することで、上位打線との3周りするのを遅らせる、あるいは対戦回数を減らすことができるので有効になるってことですね。
もちろんあくまでも統計上の話で、実際にやってみれば大差ない結果になるかもしれません。
MLBでもサンプルが少ないのですが、いまのところは有効であると言える結果が出ています。
ちなみに、MLBでオープナー戦略をもっとも活用したのがレイズですが。
なんでレイズがオープナーを活用したのかというと、まともな先発投手が少なかったからです。
オープナーなら若手投手に無理をさせず、イニング制限をかけながら経験を積ませることができます。
先発として6イニングを投げさせるより、ロングリリーフとして3回、4回と投げさせた方が良いと判断したわけですね。
上位打線との対戦を避けながら、短いイニングを力を入れて投げる方が結果を残しやすいでしょうから。
要するに投手陣全体の労働力を分散させたわけですね。
先発投手がいないからリリーフ投手に頼るしかない状態だったわけです。
苦肉の策になるかもしれないオープナーが、いまのところは成功しているわけです。
日本の方がオープナーに適している?
僕はMLBよりNPBの方がオープナー戦略を使いやすい面があるのではないかと思っています。
その理由がMLBに比べると一軍、二軍の行き来を簡単に出来る(ように見える)ことがあります。
NPBでも一度降格させると10日間は再昇格できませんが。
極端にいえばドカベンの三位一体みたいに、10日に1回3人で先発投手1人分のイニングを投げさせる戦略ができるかもしれませんし。
まあ、そんなことをしていたら一軍の投手人数が足りなくなるか。笑
MLBの場合はそもそも簡単に降格させられないルールになっているので、投手陣を日本ほどフル活用はできませんからね。
(降格には契約しばりがあったり、他球団に獲られるリスクを犯す必要があったり)
逆に日本で向かなそうな理由としては、失敗すれば無駄に采配批判されそうなところかな。笑
初回に1点取られるだけであれこれ言われそうですもんね。
まあ、単純に勝ちにこだわるなら導入する価値はある戦術だと思いますけどね。
守備シフトだと日本では意味がないでしょうけど、オープナーなら有効な戦術になるかもしれませんし。
ただこういう新しいことに否定的な人は多いですから、批判の声がどうなるか・・・。
MLBではオープナーが流行りそう
賛否両論あるオープナー制度ですが、MLBでは流行りそうな雰囲気があります。
先にも言いましたが、少なくとも統計上は有効である可能性が高いですから。
さらに、オープナーを使った方が投手のコストパフォーマンスを高めることができるかもしれません。
MLBでは左投手に強いユーティリティーと、右投手に強いユーティリティーをうまく使いわけ、比較的安い年俸で攻撃力をあげる戦略があります。
現在のMLBではリリーフ投手の重要性が上がっていますが、これも同じようなことです。
リリーフ投手の方が先発投手よりも安く獲得できますからね。
3周目に打たれる可能性がグッと高くなるという話をしましたが、早め早めに交代させて優秀なリリーフ投手を起用した方が投手陣全体の成績も上がる可能性が高いわけです。
この延長線上でオープナー戦術の方が安く投手力を向上させることができる、という理由で流行る可能性があるわけですな。
ただ18年のレイズに関しては先発投手が弱いからという大義名分がありました。
19年になると平均的な先発ローテを誇る球団でもオープナーを積極的に導入する可能性もあります。
そうなったときが本当の意味でオープナーの意義を議論されることになるでしょうね。