野球には様々なジンクスのようなものがあります。
日本で言えば「甲子園優勝投手は大成しない」なんて言われることもあります。
当然例外もあるわけですが、輝かしいイメージに比べると大成した例が少ないと感じるのも事実でしょう。
MLBでは「新人王投手は大成しない」と言われることがあります。
特に先発投手に関してはイメージ比べると大成した例が少なくなっていますね。
大成したMLBの新人王先発投手
大成というのは曖昧な表現ですが「殿堂入り」というのを基準にすると。
67年受賞のトム・シーバーただ1人で、あとは現役のジャスティン・バーランダーが有力なだけです。
通算100勝以上でエースとしても一時代を築いた投手をあげてみると。
ドン・ニューカム、リック・サトクリフ、フェルナンド・バレンズエラ、ドワイト・グッテン。
ここまで上げただけで6人しかいません。
ではNPBで新人王を受賞した投手はと言うと。
球界を代表するエースと言われ、MLBに移籍した投手だけでも野茂英雄、川上憲伸、上原浩治、松坂大輔、和田毅、田中将大と6人の名前があがります。
MLBの新人王に輝いた先発投手が大成しないというのも、納得のジンクスかもしれません。
大成しない理由は故障?
大成しない理由で最も思い浮かぶのが怪我によるキャリアの停滞です。
有名なところではケリー・ウッド。
現在、若手投手の投球制限などが厳しくなったのは彼の故障が理由とも言われています。
デビュー早々に1試合20奪三振という大記録を作った大器。
もう1人の若手有望株マーク・プライアー共々、故障に苦しんでキャリアは停滞。
彼らを酷使したカブスは大きく批判されてしまいました。
まあ、日本で甲子園優勝投手が大成しないと言われるのも、アマチュア時代の酷使が原因ですしね。
有力投手が甲子園出場を逃すと、そういう面からもスカウトの人は嬉しいようです。
そもそもエース級の受賞者がいなくなった
そしてその結果、98年ウッド以降の新人王投手に関しては後に大エースになりそうな投手が受賞することが減りました。
それこそバーランダーぐらいのもので、あとは14年のジェイコブ・デグロムというまだ評価が定まらないキャリアの浅い投手ですね。
(事故死したホセ・フェルナンデスも・・・)
98年以降、その他新人王を受賞した先発投手はドントレル・ウィリス、ジェレミー・ヘリクソン、ジェイソン・ジェニングスという技巧派投手です。
15年のマイケル・フルマーはエース格に成長する可能性がある投手ですが。
そのフルマーも故障があり、ちょっと危ういキャリアになる可能性も・・・。
今後エース級投手が受賞するとなると、他に有力候補がいなくてシーズン途中からローテに入りでも受賞するというケースかな?
ちょうどデグロムがそうだったわけですけど。
そのデグロムにしても、本当はリリーフとしての起用予定が、現中日のディロン・ジーの故障により先発起用というチーム事情がありましたからね。
本格派投手を大切に起用する方針を敷く球団が多くなっていますからね・・・。
今後もエース級投手が受賞するケースは少なくなりそうです。
現代において「新人王受賞投手は大成しない」というのはジンクスとして、気に留められるものではなくなるかもしれませんね。