エンジェルスの大谷翔平選手が順当に新人王を受賞しました。
正直、僕としてはもう少し票が割れるかと思ったんですけどね。
大谷選手が1位25票、2位のアンドゥハーが1位5票と大差がつきました。
日本人選手としては、01年のイチロー選手以来の新人王となっています。
ずいぶんと長いこと日本人選手の受賞がありませんでしたが、いくつか障害もありましたからね。
大谷選手にはその障害がなかったということも幸いしました。
絶対的なライバルの不在
17年のアーロン・ジャッジ、コディ・ベリンジャーのような歴史的なルーキーが登場していれば、大谷選手の新人王はなかったかもしれません。
近年で言えばダルビッシュ有投手はマイク・トラウトという絶対的な選手がいたので受賞を逃しました。
(2位にキューバ出身のセスペデスもいたけど)
大谷選手はヤンキースのミゲル・アンドゥハー、グレイバー・トーレス両内野手がライバルでした。
共に新人王でもおかしくない成績ではありますが、大谷選手より明らかに上というわけでもありません。
僕はこの2人で票が割れることも大谷選手の受賞を後押しすると思ったけど、実際はそうでもなかったですね。
2位のアンドゥハーは打率.297 27本塁打 92打点と素晴らしい数字ですが、サードの守備が壊滅的だったのが大きなマイナスでしたね。
大谷選手も守備での貢献はないけど、足を引っ張ってもいないですから。
新人王はチーム成績や出場試合数の影響が少ない
MLBの新人王投票は、MVP投票ほどチーム成績は考慮されません。
ポストシーズンを争う中でプレーしたヤンキースの両選手と、優勝プレッシャーと無縁の中でプレーした大谷選手という点は考慮されないわけですね。
また、大谷選手は故障もあり104試合の出場に終わっています。
アンドゥハーは149試合、トーレスは123試合。
大谷選手は代打での出場もあったので、打数で言えば試合数以上に差があるわけです。
おそらく、そのような観点から「大谷は新人王にふさわしくない」という声もあるはずです。
このような声を聞くシーズンは意外とあるものですしね。
裏を返せば、試合数が少ない選手が、ほぼフルシーズン出場した選手を抑えて新人王を受賞したシーズンも多いということです。
だからこそ、多く出場した選手が受賞するべき派の声を聞くことが多いわけですしね。
そもそも二刀流という特殊な起用法だったので、単純な試合数では測れないわけですが。
まあ、いずれにしても大谷選手の故障歴も新人王投票に不利になることはなかったわけですな。
大谷の評価は即戦力の主力ではない
そもそも日本人選手が新人王投票で不利な扱いを受けていたのは、NPBでの実績があるからです。
日本でバリバリ主力としてプレーし、MLBでも即戦力の評価を受けた選手なので、新人王というのは違うだろうということです。
そのように考えた記者が多いことは理解できるし、だからこそ我々日本人ファンにとっても新人王を逃してもあまり関心はなかったのでしょう。
その点で大谷選手の場合、日ハム時代も数字だけを見ると怪我も多く、決して図抜けていたわけではありません。
歴史的な活躍をしたスーパースターではありましたが、良くも悪くも未完成感はありましたからね。
MLBでも即戦力の主力というよりは、トップクラスの有望株としての入団となっています。
我々日本のファンから見てもMLBで成長した感はありますし。
だからこれまでの日本人選手ほど、新人王に選ばれることに拒絶反応を起こす記者は少なかったでしょう。
この点も大谷選手の新人王投票に有利に働きました。
これまで新人王クラスの活躍をしても受賞を逃してきた日本人選手は少なくありません。
でも僕はこれらの理由から大谷選手は新人王を受賞すると思っていました。
まあ、それにしても、もう少し割れて接戦になるとは思いましたけどね。
新人王の受賞自体は異を唱えるほどのことではありませんが、だからといってメジャーリーガーとしての将来が保証されたわけでもありません。
主に怪我が理由で大成することなくキャリアを終えた選手はたくさんいますからね。
大谷選手もその点が心配なので、順調に復帰してもらいたいものですね。